こんにちはタニイチです。
この記事ではコマツ(6301)について分析していきたいと思います。
グローバル市場で戦っている日本企業です。
それでは詳しく見ていきましょう。
目次
コマツ(6301)の事業内容
事業内訳
コマツの事業は、建設機械・車両部門、産業機械他・リテールファイナンスの3部門に分かれていますが、上図の通り9割を建設機械・車両部門が占めています。
売上高ベースで米キャタピラーに次ぐ世界第2位の建設機械メーカーであり、鉱山で使用される超大型の建設機械から小型の建設機械まで幅広い商品を有しています。
海外展開が進んでいる
コマツの海外売上高比率は80%を優に超えており、グローバル展開がかなり進んでいます。
日本市場が人口減で縮小する一方で、海外市場はまだまだ成長が見込めますので、すでに全世界に販売網を持っていること及び市場で受け入れられているブランド力は大きな強みだと思います。
また商品の地産地消を基本方針としており、海外にも多くの生産拠点を有しています。また、開発機能も海外に有しており、それぞれの市場ニーズに合わせた製品開発を行っていると思われます。
コマツは商品の需要地で生産することを基本方針としており、全世界に生産・販売拠点を設置しています。 更に、開発機能を持つ生産工場を「マザー工場」と位置づけ、同じ商品を生産する海外の工場(チャイルド工場) に対して、安全・品質・コスト・納期の責任を持つ「マザー工場体制」をとっています。このフレキシブルな生産 体制の強みを活かし、お客さまや地域社会に密着しつつグローバルに事業を展開しています。
コマツレポート(統合報告書)2019より
製品へのIT対応が早かった
コマツは「KOMTRAX(コムトラックス)」と呼ばれるGPS・通信機能を用いた機械稼働管理システムを2001年に標準機能として取りつけました。
これにより盗難にあった機械は、動かせないように遠隔ロックしたり、コマツ側で把握した機械の稼働状況をサービスに活用することが可能になるなど、コマツが他社との差別化を行う上で大きな強みとなっていました。
(2020年現在ではCATなどの競合も同様の仕組みを構築しています。)
昨今はIoT化が叫ばれており、自動車に通信機能を取り付けたりするようになってきておりますが、KOMTRAXの導入は約20年前なので先見の明があったと言えるでしょう。(建設機械は法人ユースなので消費者向けに比べて価格転嫁しやすいこともあるとは思いますが。)
市場環境
市場動向
建設機械は、典型的な資本財なので景気の良し悪しで需要が大きく変動します。
リーマンショック以降、世界的に好景気だったため、それに伴い建設機械市場は好調に拡大してきました。しかし、2019年ごろから市場環境は悪化しつつありました。
さらにコロナウイルスの世界的流行により景気が後退局面に突入しつつあるため、更なる需要減が予想されます。
特に、主力市場かつ採算の良い北米市場でコロナウイルスの影響が顕在化し、建設機械需要は低下してくると予想されるため、市場環境は相当厳しいと思われます。
また、資源価格が低迷していることから鉱山需要も大幅な減退が予想されます。
いち早く経済再開に舵を切った中国においては、中国政府が大規模な景気対策を打ち出すと思われますが、中国メーカーの三一重工やその他ローカルメーカーに押されていることから、需要が回復してもコマツが得られる利益は大きく無いと思われます。
競合他社
建設機械メーカー不動の第1位です。
市場規模の大きい北米の建設・鉱山市場でのシェアをがっつり抑えていることが強みです。
キャタピラーについてはそのうち別記事分析したいと思っています。
三一重工は「SANY」ブランドで油圧ショベル、クレーン車などを手がける中国のローカルメーカーで、中国市場でシェアNo.1を誇ります。
CATやコマツより2割程度、製品価格が安いとのことで圧倒的な価格競争力を誇っています。
現在売上の8割を中国市場が占めていますが、今後海外進出を進めてくることは間違いなく、大きな脅威となる可能性があります。
財務指標など(2020年5月更新)
業績
2019年まで、世界的な好景気を背景に好業績を叩き出しています。
営業利益率については、メーカーにも関わらず平均して10%超と非常に優秀な数字です。
配当
コマツは連結配当性向を40%とする方針を掲げています。
ここ数年は、業績が好調だったことから増配基調にありましたが、業績が悪化した際は減配するリスクが高いので配当金目的で保有することはおすすめできません。
過去の株価チャート
景気の影響をもろに受けるため短期的な株価のボラティリティが高いです。
2009年はリーマンショックで急落していますし、2015年のチャイナショックでも暴落しています。
総評
コマツは、世界で戦える非常に優良な企業ですが、建設機械自体が景気の影響を大きく受けるため、短期的にはボラティリティの高い銘柄です。
不況の時には短期的に大きく株価が下がることが予想されるため、がっつり仕込みたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それではまた!